保健師のみなさま
株式会社ファンケル 管理本部 健康支援室
Special
Interview
インタビュー
健康食品業界のパイオニアとして、数々の健康食品を生み出し続けるファンケル。
世の中の不安や不便などの「不」を解消するためにお客さまへ“正直品質”を届けています。常にお客さまの健康を考えるファンケルは、社員の健康管理に向き合う姿勢もまっすぐでした。
働く女性の健康経営について必要性を感じますか?
ファンケルは女性社員が約8割とかなり多く、女性管理職も約5割と多いため経営層も女性の健康経営についての必要性を感じています。 2009年から保健師は在籍していたのですが、保健師が今の5名体制になったのは2018年でした。 健康支援室という形で会社の組織の中で存在しているのは、従業員に活躍してもらうために従業員の健康を会社全体でサポートしていきたいという会社の姿勢であると考えています。 主に健康診断の再通知や体調不良者の相談、ストレスチェックの実施と職場へのフィードバック、セミナーの実施といった社員のヘルスケアサポートがメインです。 2017年からHSSという健康管理サポートシステムを導入し、このシステムで全国にいる店舗スタッフともメールでやりとりすることができるようになりました。 店舗スタッフからは電話をもらう形でしか連絡ができなかったのですが、直に相談できるといった点では、本社と店舗スタッフとの対応の隙間を埋められていると感じます。 また、健康診断とストレスチェックの結果をHSSで集約しており、そのデータを元に、社員へのアプローチや相談にのることもあります。 データをさらに積み重ねて、社員一人ひとりの健康状態を見ていくと同時に、会社全体の特徴や課題を分析して、アプローチをしていくことが今後の健康経営に求められていると感じています。
女性特有の症状や疾患について、実際に導入した施策があれば教えてください。
コロナ前のお話しですが、健康に関する商品を作っている部署と連携し、従業員向けに「健康フェス」を実施したことがあります。 「健康フェス」では食物繊維の摂取量や運動のレベルなど計測を行った上で、セミナーを聞いてもらうといった2部構成にしており、 セミナーの内容は、健康診断の結果の見方や更年期、乳がんに関する内容を取り扱いました。 乳がんのセミナーでは、しこりのあるモデルを用意して実際に触ってもらうことでより自分事化してもらえたのではと思います。 また、毎年新入社員の入社式のタイミングで健康支援室から健康管理についての講話をしています。社会人1年目の新入社員には会社の健康管理システムや健康支援室を知ってもらうと同時に、働きながら自身の管理に役立ててほしいという気持ちからです。 コロナの影響で「健康フェス」の実施継続は難しいですが、入社式での講話やオンラインでのセミナーは引き続き実施していきます。
女性特有の症状や疾患についての施策を導入する際の障壁や課題があれば教えてください。
もともと女性が多い会社であるためあまり障壁はないように感じていますが、 ”女性だけ“の施策になってしまっていないかを客観的に考えつつ、進めています。 今後の課題としては、女性特有の疾患や症状が起こってしまう理由への理解を経営層や役職者にさらに深めていくことです。 例えば、生理前や生理中の体調の悪さへの対処法だけを学ぶのではなく、女性ホルモンの変化によってどのように体調が悪くなってしまうのかといった“途中経過”の部分の理解を深めることで、女性がバランスよく仕事していけるような環境を作っていきたいです。 実は、数年前から役職者の研修で女性ホルモンや更年期障害、PMSに関する内容を取り入れており、 これからはもっと理解を深めていけるよう尽力していく所存です。
健診補助制度について教えてください。
女性の健診に関わるところでいうと、 今までは自分で予約を取り、別日で受けなければならなかったのですが、さらに手厚くしていきたいという思いから 35歳以上の奇数年齢の女性は子宮がん検診、乳がん検診を無料で定期健康診断と同時に受けてもらうようにしました。
女性の健康経営についてこれから取り組みたいことはありますか?
直近で2022年に行う予定ですが、 気軽に見られる女性の健康に関する動画を作っていきたいと思っています。 社内の研修を定期的に掲載しているサイトがあり、全社員が見ることができます。 時間や場所の制限を考えると、なるべく短い時間にして仕事の合間に見てもらえるのはやはり動画だと感じます。 今まで行ってきたセミナー実施も継続しつつ、全社員が知識を深められるような体制を整えていきたいと思っています。