髙橋 くみ
Bé-A Japan 代表取締役COO
Special
Interview
インタビュー
“女性特有の悩みを理由に、何かあきらめてしまう社会を変えていきたい”
圧倒的な吸水量を持つ超吸収型サニタリーショーツ ベア シグネチャー ショーツ。そのこだわりは多くの女性の生活をがらりと変えることとなりました。
今回は女性ならではの悩みを経験した髙橋 くみさんに、ベア シグネチャー ショーツの開発の注力点やこれからの女性への支援についてお伺いしました。
ベア シグネチャー ショーツを開発するにあたって、機能・衛生面で注力した点はありますか?
機能面としては、ムレにくさ、洗いやすさ、乾きやすさ、耐久性、温め機能…と様々ですが、特に吸水量でのこだわりが強いです。 ベア シグネチャー ショーツでは約120ml*、ベア ウルトラ ヘビー&ナイト ショーツでは約150ml*と業界No. 1*¹です。 *公的検査機関の数値を元に算出 *¹ 日本に流通する主な吸水型サニタリーショーツ13品において(2021年4月一般社団法人カケンテストセンター調べ) この吸水量にするための工場探しではかなり苦労しました。 下着メーカーではハードルが高く、20社近くにお断りされています。発想の転換をして、尿漏れ・赤ちゃんのおむつを取り扱う工場を探していたら、優れた技術を持つ今の工場と出会うことができました。 実はこだわりが強すぎて、プロジェクトが始まって2.3か月でギブアップされてしまい、再度お願いするといったハプニングもありましたが、クラウドファンディングでは1億240万円の支援金をいただき、のべ9062人に支援いただくことができました。 当時より担当していただいている方は「あの時あきらめなくてよかった。女性の生活を変えるものを一緒に作れたことに喜びを感じる」とおっしゃってくださいました。 衛生面に関しては、抗菌・防臭加工を施した生地を使用して雑菌の繁殖を抑え、ニオイを防ぎます。また、ショーツ本体と吸収体が離れた構造にすることでムレにくく、また使用後の洗濯も簡単、且つ乾きやすいよう工夫しました。
ベア シグネチャー ショーツを医療従事者の方へ寄贈されていると思いますが、 送られた理由や経緯についてお聞かせいただけますでしょうか。 実際に寄贈してどのようなお声をいただいたかも併せてお伺いできればと思います。
医療従事者の方は急を要する対応も多く、トイレに行くタイミングが難しいなどのお声を聞きました。 自分のタイミングで交換しに行けない方にこそ、ぜひ使用いただきたいという想いがありましたので、寄贈を継続しております。 特に、今はコロナ禍で防護服を着ている医師や看護師は脱ぎ着がとにかく大変で、トイレに行くのを控えるため水分をなるべく取らずに勤務しているとも伺いました。 実際に寄贈してみて、以前に比べ「すごく楽になった」というお声が多かったです。夜勤の看護師さんからは、「仮眠室のベッドは共用なので、漏れたらどうしようという気持ちで夜勤なのに寝れないこともあったが、ベア シグネチャー ショーツを使用して、安心して寝れるようになりました」という声もありました。 中には、お忙しい中受け取ってくださった医療従事者の方が「勤務中に不安になってしまうことも多かったけれど、ベアのショーツを穿くことで仕事に集中できた、感激しました!」といった熱いメッセージを直接送ってくださり、必要な方にお届けすることができ、とても嬉しい気持ちです。
Bé-A Japan 代表取締役CEOである山本 未奈子様が働く中で、女性ならではの不便さを感じ、 髙橋様がある吸水ショーツをお教えになったことから Bé-Aの開発が始まったと拝見しました。 働く女性の健康をどのように支えたいとお考えでしょうか?
生理があることが自然な現象であり、女性一人ひとり症状や悩みが違うんだというベースの認識がまだまだ広まっていないと思っています。 お客様が経験なさった出来事や実際のお声を「Million Voices」として発信し、誰しもが少なからず経験する悩みを皆さまと共有することで、自然に啓発していけたらという想いです。 また、働く女性の健康において、女性特有の悩みが原因で仕事に支障が出たり、キャリアチャンスを逃すことによる経済損失は、おおよそ4900億円にも上るといわれています。 同じ女性同士でも悩みや辛さは人それぞれであることを互い理解することはもちろん、男性からの理解がもっと深まることで、女性の社会進出の後押しになると考えます。
Bé-A Japan様社内で、生理など女性特有の悩みについて、 会社がサポートしていることがあれば教えてください。
制度としては、毎年健診に行くようサポートすることや生理休暇・フルフレックス制度を設けることでいつでも休めるような環境を整えています。 制度以外でのサポートにも力を入れ、社員のプチストレスは少しずつなくしていきたいと思っています。 社員全員でトイレ掃除などを行うのですが、掃除をする人に申し訳ない、という理由から、数年前までは全員が生理用品をサニタリーボックスに入れずにポーチに入れて持ち帰っているということが分かりました。 そういったプチストレスをなくすために、ペット用のニオイが漏れないビニール袋を 設置して、全員が捨ててよいといった仕組みを作りました。 今では社員全員がBé-Aのショーツを穿いているのでそういったこともなくなりましたが、それ以来社員同士で生理の話をするようになり、お互いの理解を深めることにも繋がりました。今後もストレスをなくし、分かり合えるような会社にしていけたらと考えています。
これから社内社外含め、どのように女性を支援していきたいと考えていらっしゃるでしょうか。
女性特有の悩みによる経済損失が4900億円を超えてしまうといった問題に対して、私たちの力で少しでも貢献できたらなと思っています。 日本の人口が減る中で、女性の社会進出は今よりさらにマストになるのではないでしょうか。男性と女性が社会で働いていく上で、自然現象である生理と女性は切ってもきれない関係にあります。 生理だけでなく、性差に対する男性の理解はすごく大事なことだと感じています。男性だけでなく、女性同士でもまだまだ分かり合えていないこともあります。「もっとお互いを分かり合える社会にしていきたい」というのがBé-A Japanとしての目標です。 また、子供たちがセミナーや商品を通じて、自分のからだについて学べる機会を増やしていきたいと思っています。Bé-A Petite(ベア ペティート)というジュニアラインがあるのですが、大人用とは吸収体の色を変えています。 大人用は黒。ジュニアサイズはあえて目で見た時に色が分かる薄いグレーにしています。薄いグレーにした理由は自分の量や吸水位置を認識し、自分の体と向き合ってほしいという想いからです。 Bé-Aのブランド名の由来は「Boys Be Ambitious」を“少女も志を持って夢に挑んでほしい”という気持ちを込めて、「Girls Be Ambitious 」とし、そこから文字を抜き取り、「Bé-A〈ベア〉」としています。 女性特有の悩みを理由に何かあきらめてしまう社会を変えていきたい、そんな想いを持ち、これからも活動を続けていきたいと思います。