株式会社ディー・エヌ・エー
ヒューマンリソース本部
人材企画部企画推進グループ マネージャー 渡辺 真理(左)
ヒューマンリソース本部
人事総務部労政グループ 久見木 裕子(中)
CHO室
(Chief Health Officer) 植田 くるみ(右)
Special
Interview
インタビュー
「男女関係なく、個々に対応することが“平等”であり、“ダイバーシティ”である」
社員一人ひとりの課題に向き合うディー・エヌ・エー。
今回は社員の健康をサポートする2つの部署から
渡辺さん、久見木さん、植田さんの3名にお話しを伺いました。
働く女性の健康経営について必要性を感じますか?
必要性を感じています。 結婚・出産を経験し、年齢を重ねている女性の人数も増えてきたこともあり、様々な女性特有の健康課題を抱えている女性も増えてきました。そういった女性のライフスタイルをサポートすることで、より活き活きと仕事に取り組み、能力を発揮してほしいという気持ちがあります。 また、男性と女性の体が違うことから、女性特有の健康課題は 生じてしまうため、そういった点からも必要だと感じています。 ディー・エヌ・エーでは女性自身が「病気や症状がでる前に予防する」といった意識を持つことも大切ではないかという考えから、病気や症状が「でる前」と「でてから」の2軸でサポートを行っています。 CHO室では「でる前」に自分の体の理解やセルフケアといった予防的な観点からのサポート、健康管理室とヒューマンリソース本部では「でてから」のサポートをしています。(植田さん)
女性特有の症状や疾患についての施策を導入する際の障壁や課題があれば教えてください。
女性は年代によって抱えている課題が異なり、ひとつひとつの悩みの対象者が少ないため、どうしても他の施策よりも優先順位が低くなってしまっていました。 ディー・エヌ・エーでは男女関係なく、個々に対応することが「平等」であり、「ダイバーシティ」ではないかといった考えが根付いています。個々で足りないことがあればサポートし、働きづらさは解消するといった形でバックアップしています。 また、女性の健康課題はセンシティブな内容であることから声高に進めにくいといった側面もあります。 セミナーの参加はオンラインかつ顔が出ないようにするなど、女性の気持ちに配慮をしながら施策を行っています。(植田さん)
女性特有の症状や疾患について、実際に導入した実績があれば教えてください。
以下3つを主に行っています。 ➀セミナー 過去3回行っています。女性保健師から女性の体や月経について漢方などの自分でできるセルフケアを教わる会、女性医師からライフイベントで変わる女性ならではの体について教わる会、更年期の症状と対策を教わる会の3回です。 月経から更年期まで幅広いテーマを取り扱っています。 反響としては、「セミナー(オフライン)で参加者同士悩みを共有できたことがよかった」といったお声をいただきました。 コロナになってからはオンラインでのセミナー実施になってしまいましたが、男性社員やそのご家族にも参加いただくことができ、思いがけずオフラインとは違ったお声を聞くことができました。 ②女性社員専用の健康相談窓口の設置 相談フォームから社内女性保健師に個別に相談することができ、アドバイスがもらえます。 安心して気軽に相談できるよう、女性保健師のみが内容を確認する形としています。 ③お腹や腰を温めるクッションの貸し出し 月経時の女性にも使っていただけます。自席でも使えて好評です。 ※2020年3月以降は、リモートワーク中心となり、貸出停止中
健診補助制度について教えてください。
年齢によって受診メニューは異なりますが、 定期健診や生活習慣病、人間ドックにオプションとして乳がん検査(乳腺エコー、マンモグラフィ(40歳以上))や子宮頸がん検査・経腟超音波検査が付いていて、会社の補助が出ている形です。現在の女性社員の婦人科系のオプションを含めた受診率は65%です。 社員の年齢が上がってきていることを加味し、今後は年齢に合わせてさらに受診内容を充実していければと思っています。(久見木さん)
女性の健康経営についてこれから取り組みたいことはありますか?
ディー・エヌ・エーでは働き方がリモート中心にシフトしてきており、それは今後も続いていくと考えています。 女性のバイオリズムに合った働き方ができる一方で、社員同士の姿が見えないといった課題もあり、個人個人が自分自身を正しく理解し、ケアするといったことを自立して行っていく必要があるのかなと感じています。それに向けて、正しい知識・ケア・メンテナンス方法を発信していきたいです。 また、オンラインの良さを生かし、男性社員やその奥様、家族、社会へと幅広く発信していくことも意識していきたいと思います。(植田さん) ディー・エヌ・エーの考え方として「いきいきと働き、輝いてほしい」というコンセプトがあります。 なんらかの理由でそれがかなわないとなったときに、どのようにその声を拾い上げることができるかといった視点は忘れないようにしていきたいと思います。 また、女性の活躍推進はどうしても育児の両立支援に偏る傾向があるのではと感じています。女性でも年代や条件によって課題はさまざまなので、介護や自身の健康の相談など視野を広げながら幅広くサポートしていきたいです。(渡辺さん)