古川 英里
株式会社ネオキャリア
管理本部 人事部 人材開発グループ グループマネージャー
国家資格キャリアコンサルタント
Special
Interview
インタビュー
「成長し続ける」
情熱と革新性を持ち、
まだ誰も見たことがない未来の創造に向け、
全力で突き進むネオキャリア。
今回は、女性活躍のため社員のキャリア形成をサポートする
古川さんにお話しを伺いました。
働く女性の健康経営について必要性を感じますか?
感じています。
理由として、弊社内の以下の2つの背景からです。
1つ目は、男女比率についてです。現時点では、グループ全体の男女比率は5:5となっているのですが、直近5年以内(2015年~2020年)に入社した新卒社員を見ると、入社時点では女性社員の方が男性社員に比べて人数比率が増加傾向にあり、今後全体比率における女性割合が増加していく可能性があります。
そのため、一層女性をケアする取り組みが必要と考えています。
2つ目は女性の管理職の平均年齢が31.1歳であることです。この年齢はちょうど女性ならではの病気やライフイベントが発生しやすいタイミングだと考えています。この年齢ボリュームが大きい弊社にとっては、女性の健康経営に取り組む必要性を感じている大きな背景のうちの1つと考えております。
これら2つを踏まえ、会社としての取り組みの必要性を感じております。
女性特有の症状や疾患についての施策を導入する際の障壁や課題があれば教えてください。
施策や仕組みを導入するだけで終わらせるのではなく、
「全社員(男性、女性はもちろん役職に関わらず)」に女性特有の症状や疾患に関わる課題を認識してもらうことが重要であり、この点に多くの時間を要すると考えています。
男女比率は5:5であるものの、役職別にみると管理職(部下を1名以上持つメンバー)においては男性比率が高いのが実態です。
そのため、様々な施策が「必要か」「不要か」以前に、
「そういった女性特有の症状や疾患についての課題がそもそも存在しており、どういったケアが必要なのか」の根本的な部分の知識が乏しく、
人事施策を進める以前のところにも問題があると考えています。そのため、社員毎でこれら課題に対して温度感が異なっているのが現状です。
女性特有の症状や疾患について、実際に導入した実績があれば教えてください。(セミナーなど)
これまでにいくつか取り組みを進めてきました。
まず真っ先に取り掛かったのが、「認識のすり合わせ」です。
弊社では「復職女性受け入れ研修」と称し、経営トップである西澤をはじめとし、取締役、部長クラスのメンバー男女全員に研修を行いました。
その上で、人事部と経営側とで「女性復職の課題」に対する認識を合わせつつ、現場目線で実際に復職する女性が抱える悩みやそれに対しての受け入れ方を伝えました。この研修を終え、マネジメントへの認識を合わせることができたと感じています。
その上で、更なる施策を展開していきました。
例えば、結婚から育児のライフイベントに対応した女性活躍支援制度です。社内では「ショコラ制度」と呼んでいます。
この制度は結婚から育児まで使ってもらえる制度の総称で、男女の働き方の多様性に向き合う必要があるという考えの元、ライフイベントがあっても前向きに会社の中でキャリアを形成したいという女性に使ってほしいという背景から作られました。女性のための制度ではありますが、男性が利用できる制度も含まれており、もちろん男性も利用実績があります。
また、育児期での「成長見逃さないDAY」制度も取得者が多いです。
「成長見逃さないDAY」とは高等学校就学の始期に達するまでの子を養育する社員は、事前に申し出ることにより、入学式や卒業式、運動会などの行事への参加を理由として休暇を取得することができる制度です。このような制度を社内で知ってもらうために、部署の方に直接説明することや、復職する人がいる部署は「復職女性受け入れ研修」の動画と資料、それからショコラ制度のQ&Aを配布するなど行っています。
健診補助制度について教えてください。(例:人間ドックの補助額や対象年齢、YOU健診の補助額や対象年齢)
30歳以上だと健康診断に子宮頸がん検査と乳房のエコー検査がついてきます。自己負担なしで検査を受診できる環境が整っています。
社内では、定期的に婦人科に通っていたため安心していたが、
婦人科健診で悪い判定が出たことで検査の大切さを知ったという声もありました。
弊社の場合は、30歳以上の女性の健康診断には、必ず婦人科検査が付いているので、定期的に体を見直す機会を作れているのではないかと思います。
女性の健康経営についてこれから取り組みたいことはありますか?
これからも女性も含めた働きがいのある会社にしていくために継続的に取り組みを続けていきたいと考えております。
場合によっては経営層も巻き込んだ形で発信していくことも必要だと感じます。
女性は特有の疾患や症状を抱え、ライフイベントが男性と比較すると多いといったこともありますが、男女関係なく、本人が当事者意識を持って、成長を望むならば積極的に登用していきたいと思っています。