
nae株式会社
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代表取締役
Interview
女性が直面する課題に焦点を当てたプロジェクトを中心に、家電、自動車、医薬、ホスピタリティ、素材、宇宙など、幅広い業界の事業開発を支援するnae株式会社。今回は代表取締役の篠原さんに女性のウェルビーイングに対する想いを伺いました。
まずは、nae株式会社様の事業内容と理念を教えてください。
事業内容は、女性特有の課題に特化した事業開発支援とブランド構築支援になります。女性特有の課題をやっているとはいえ、一番将来的に目指したいところは、男女関係なくウェルネス・ウェルビーイング領域に関わりたいと思ってやっています。 理念として掲げているパーパスは「enhanced with the world with tangible design」です。私自身がものづくり業界にずっと携わってきた人間なので、ちゃんと触れるものを通じて人のウェルビーイングに貢献したり、世の中をより良くしていきたいと思っています。
貴社では「女性のウェルビーイング向上」や「予防医療と健康」をKey Focus Areaとして掲げられていますが、このような分野に注力しようとしたきっかけや思いなどお聞かせください。
フェムテックという言葉が一般化する以前から、PMS、骨粗鬆症、美容家電など、女性特有の課題やウェルビーイングに関するプロジェクトに携わってきた経験があります。 これまでの社会では、女性特有の健康課題が軽視されがちだったという現実があります。月経、妊娠、更年期など、女性のライフステージに伴う身体的変化やそれに付随する課題は、十分に理解されてこなかった部分が多いんです。 私自身がものづくりの現場で培った「使う人のことを本当に考える」という視点から、女性が抱える課題に真摯に向き合い、具体的なソリューションを提供したいと考えました。予防医療という観点では、早期発見・早期対応によって、女性がより健やかに、自分らしく生きられる社会を作りたいという想いが強くあります。 実際に母が子宮頸がんを患った経験も、女性の健康に対する理解の重要性を痛感する出来事でした。また、ふたりの娘がいて、「この子たちが大人になる頃には、少しでも社会が前進していてほしい」という願いがあります。
貴社では2024年度より、女性専用健診施設「クレアージュ東京レディースドッククリニック」と契約し、通常の定期健診項目に加えて、婦人科検査・乳房検査を全額会社負担で実施されていますが、そのようにした理由を教えてください。
女性特有の疾患は、早期発見が何より重要です。しかし、婦人科検査や乳房検査は、一般的な健康診断では十分にカバーされていないことが多く、また費用面での負担から受診を躊躇される方も少なくありません。 弊社が女性のウェルビーイング向上を事業として掲げている以上、まず社内の女性社員の健康をしっかりと守ることが大切だと考えました。全額会社負担にしたのは、経済的な理由で必要な検査を受けられないということがあってはならないからです。社員の健康は会社の最も大切な資産でもありますしね。
健診の費用補助の他に、社員様や女性の方の健康促進に向けた会社としての支援を行っていますか?
健診以外にも、働く女性の健康をサポートするための環境整備に取り組んでいます。生理休暇の取得しやすい環境づくりや、妊娠・出産・子育てと仕事の両立支援、更年期症状への理解促進など、女性のライフステージに応じた柔軟な働き方を推進しています。 また、メンタルヘルス面でのサポートも重視しており、産業カウンセラーとの連携や、ストレス軽減のためのワークショップなども定期的に開催しています。健康は身体面だけでなく、精神面も含めた総合的なウェルビーイングが重要だと考えているからです。
篠原さんは、東京都女性ベンチャー成長促進事業(APT Women)でメンターをされており、起業や経営者としての成長を目指す「働く女性」と接する機会も多いかと思いますが、「働く女性」のための健康経営について必要性であったり、今後の展望などお考えがあれば教えてください。
メンターとして多くの女性起業家と接する中で痛感するのは、女性が自分の健康を後回しにしてしまいがちだということです。特に起業期や事業拡大期は、どうしても仕事を優先してしまい、定期健診を受けなかったり、体調不良を我慢してしまったりするケースが多く見られます。しかし、持続可能な事業運営のためには、経営者自身の健康管理が不可欠です。働く女性のための健康経営は、単なる福利厚生ではなく、事業継続性や生産性向上に直結する重要な投資だと考えています。 今後の展望としては、女性起業家や女性管理職向けの健康管理プログラムの開発や、企業向けの女性特有の健康課題に対応したコンサルティングサービスの拡充を検討しています。
女性特有の症状や疾患についての施策を導入する際や、企業へ提案する際の障壁や課題感があれば教えてください。
最も大きな課題は、まだまだ理解が不足していることです。特に男性管理職の方々に、女性特有の健康課題の重要性を理解していただくのは容易ではありません。月経や更年期による体調の変化が、実際に業務パフォーマンスにどのような影響を与えるかを、データとともに説明する必要があります。 また、プライバシーの問題もあります。デリケートな内容だからこそ、どのように制度設計し、運用するかは非常に慎重に検討する必要があります。 ただし、近年はダイバーシティ&インクルージョンの重要性が広く認識されてきており、企業側の意識も変わってきています。ROIを明確に示すことで、理解を得やすくなってきていると感じています。
HUGYOUプロジェクトにご賛同いただいたお気持ち、想いをぜひお聞かせください。
HUGYOUプロジェクトが目指している方向性と、私たちが掲げている「enhanced with the world with tangible design」のビジョンが非常に合致していると感じたからです。 単なる事業の成功だけでなく、社会全体により良い影響を与えていこうという姿勢に強く共感しました。特に、女性の健康やウェルビーイング向上という分野において、一社だけでできることには限界があります。志を同じくする企業や団体と連携することで、より大きなインパクトを生み出せると確信しています。 私たちのパーパスである「tangible design」を通じて、HUGYOUプロジェクトの理念を具現化し、実際に人々が触れ、体感できる形で社会貢献していきたいと思っています。