
Kanon株式会社
代表取締役
Interview
クリエイティブのデザイン制作に加え、女性に対してサービスを提供している企業のクリエイティブ、SNS、マーケティングの伴走支援をするKanon株式会社。
代表岩津さんの女性に対する想いや働き方への考えについて、お聞きしました。
まずは、Kanon株式会社様の事業内容と理念を教えてください。
弊社Kanonは、「心地よい選択のできる世界を作る」をミッションに掲げる共創型のクリエイティブカンパニーです。 所属する女性クリエイターが全体の9割を占めており、女性視点の企画力と、全国に広がる多彩なクリエイターネットワークを強みに、さまざまなブランドやサービスの“伝わらない”を一緒に解決しています。 事業の立ち上げ当初はデザイン制作を中心にスタートし、現在は設立4期目を迎え、女性向けサービスを展開する企業様に対し、SNSやマーケティングなどコミュニケーション領域の支援も行っています。
女性に対するサービスやデザインなどにご興味をお持ちになったきっかけはありますか?
私自身、高校から女子高で、その後の進学先もブライダル系の専門学校でした。 また、新卒で入社した会社もドレスショップで、ドレスコーディネーターとして働いていたため、自然と女性のライフスタイルや価値観に触れる機会が多かったんです。 結婚式のドレスを選ぶ瞬間は、女性の幸せな瞬間だと思います。 でもその裏側には、女性たちの働き方や経済状況、家庭環境など、さまざまな事情が日々垣間見えました。 例えば、旦那さんが転勤になったら会社を辞めて一緒についていかなくてはならないとか、赤ちゃんを産むタイミングでキャリアをお休みするなど、そういう方たちにもたくさんお会いしてきました。 転勤や出産など、人生の節目でキャリアを諦めざるを得ない女性たちと出会う中で、「私にできることは何だろう?」と考えるようになったのが、Kanonを立ち上げたきっかけです。
前職ではデザイン系のお仕事はされていなかったのですね。
そうなんです。 ただ、高校の時に色彩心理の勉強をしていたり、専門時代もヘアメイクやネイル、フラワーデザインなどの勉強をしていたので、デザインと遠くないことはやってきていました。
現在、社員の方はいらっしゃいますか?
今は地方在住の女性のデザイナーが1名在籍しており、フルリモートで働いてくれています。 その他は全員業務委託ですが、それぞれのプロジェクトにフルコミットしてくれている心強い仲間たちです。 北海道から五島列島まで、全国各地に約70名ほどクリエイターが在籍しており、それぞれの暮らしやライフスタイルに合わせた働き方を実現しています。 納期とレスポンスのスピードさえ守っていただければ、たとえば隣に赤ちゃんがいても仕事ができる、そんな柔軟な仕組みを整えています。
女性の社員の方や、業務委託の方の健康促進に向けた会社としての支援はされておりますか?
2024年度から、「クレアージュ東京レディースドッククリニック」での健康診断を導入しました。 また、セルソース株式会社と提携し、「卵子凍結保管サービス」を福利厚生制度として導入したり、にしたんARTクリニックと提携し、「AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査」を無料で提供しています。 今在籍しているメンバーの8割ほどが20代後半~30代前半の女性で、ちょうど悩みが深くなる時期でもあるため、少しでも寄り添えるようなサービスを取り入れました。
女性の方の健康促進に向けた施策や取り組みについてどのように導入を決めていますか?
「まずはやってみよう」というスタンスで始めています。 やってみて、もし違うとなったらやめてもいい、という柔軟な考えで取り組んでいます。 弊社の特徴として、クリエイターとの距離が近いということがあげられるかと思います。 定期的にオフラインのオフ会を開催したり、オンラインで勉強会や1on1面談を行っており、その中で「PMSがつらい」「フリーランスになってから健診に行っていない」といったリアルな悩みを雑談ベースで聞くことができるんです。 そうした声からヒントを得て、実際の施策導入に繋がった例も多くあります。
どのくらいの頻度でオフ会は実施されているのですか?
全国にクリエイターがいるので、頻度はそこまで多くなく四半期に一度くらいです。 あとは、オンラインで勉強会を実施したり、個別で1on1の面談の機会を1年に2回ほど設けています。 オフラインイベントには全体の3割ほどの方が参加してくださっています。
上記のような取り組みを導入されて実際に社員の方やクリエイターの反応はありましたか?
実際にAMHの検査を受けた名古屋のクリエイターから「AMH検査、ずっと気になっていたので本当にありがたいです!」と感謝の言葉をいただいた時は、導入してよかったと心から思いました。 また、地方在住の社員が東京出張のタイミングで、クレアージュ東京レディースドッククリニックで健康診断を受けた際、「検査着から感動しました!」と言ってくれて(笑)。 私も受診させていただきましたが、女性専用の空間という安心感はとても大きいと感じました。
女性特有の症状や疾患についての施策を会社に導入する際の障壁や課題があれば教えてください。
弊社は「女性しか採用しません」というスタンスではなく男性メンバーも活躍しているので、男性メンバーがどう感じるかは少し気になるポイントではあります。 ただ、男性メンバーにもパートナーがいる方が多いため、そうした方たちにも活用できるような設計をしています。 今のところ特に男性メンバーから声があがってきているということはないのですが、男女比率は半々に近づけていきたいと考えており、将来的には男性メンバー向けの健康支援策も取り入れていきたいと考えています。
女性の健康経営についての想いや課題感などがございましたら教えてください。
特にクリエイティブの仕事においては、メンタルヘルスがアウトプットの質に直結することが多いと感じています。 だからこそ、なるべくみんなが「自分にとって心地よい環境」で健やかに仕事をしてほしいと思っています。そのために必要なのが、「経済的自立」と「精神的自立」だと考えています。 精神的自立は、心の健康が重要になると思いますし、心と身体は繋がっているので身体が元気だと心も元気になりますよね。 どちらからのアプローチでもよいので、不安や悩みが軽減されるような環境を整えていきたいです。 良い取り組みがあれば、これからも積極的に導入していきたいと思っています。
岩津さんご自身もメンタルについては不調を感じることがありますか?
ありますね…。 PMSやPMDDもありますし、納期へのプレッシャーや、忙しい時は深夜の稼働もあるので常にバランスを整えることを意識しています。
HUGYOUプロジェクトにご賛同いただいたお気持ち、想いをぜひお聞かせください。
最初にお話を伺ったとき、「とても素敵なプロジェクトが始まったな」と心から思いました。 ファムメディコさんとは、立ち上げのご苦労などを以前からお聞きしていたこともあり、「女性の働き方や生き方を、もっと心地よいものに変えていきたい」という私自身の想いと重なりました。 私がKanonを立ち上げた原点とも重なるこの取り組みに、ぜひ参加させていただきたいと思いました。